習慣形成の本を探すと、33冊のリストが出てきます。33冊は読書リストではありません。始めないための方法です。
必要なのは1冊。多くても2冊です。ここでは7冊を取り上げて、それぞれが何のための本なのか、そしてどこで研究の裏づけを超えているのかを書きます。全部読みましたし、書かれていることのかなりの部分を実際に使っています。
ランキングではなく、悩みで選ぶ
これらの本は競合していません。答えている問いが違うので、合わない本を選ぶと第3章で飽きます。
自分の行を見つけて、その本を読み、必要になるまで残りは無視してください。
Tiny Habits — BJ Fogg(2019)
こんな人に:いつも大きく始めすぎて、3週目でやめてしまう人。
フォッグはスタンフォード大学の行動デザイン研究所を率い、この方法で数万人を指導してから本にしました。モデルは3文字です。B = MAP。モチベーション・能力・きっかけが同じ瞬間に揃ったとき、行動は起きます。どれか1つが欠ければ何も起きません。
役に立つのはここから先です。モチベーションは揺れます。日曜の夜には高く、水曜には消えています。自分で動かせるのは能力のほうです。だから、調子の悪い日でも越えられる高さまで習慣を小さくします。腕立て2回、1ページ、歯1本分のフロス。
彼のレシピはこうです。「◯◯したら、△△をする。そして祝う」。この「祝う」の部分はみんなが飛ばしますが、フォッグが最も重視している部分です。行動の直後、脳がまだ注意を向けているうちに、小さな良い感情を与える。
踏み込みすぎている点:祝うステップの根拠は、対照試験よりもフォッグ自身の指導経験に寄っています。試してもコストはゼロなので試す価値はありますが、確立した科学として扱わないでください。
小さくする発想がしっくりくるなら、その最小版を2分ルールにまとめています。
Atomic Habits — James Clear(2018)
こんな人に:やるべきことは分かっているのに、やらない人。日本語版は『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』。
3,000万部、60言語。事実上の定番です。その評価の大半は妥当だと思います。クリアーは20年分の行動研究を、その日の午後から使える4ステップにまとめました。はっきりさせる、魅力的にする、易しくする、満足できるものにする。習慣の積み上げ、2分ルール、環境設計、アイデンティティ — 今日みんなが習慣について語ることの大半は、この本から来ています。
いちばん良い考えは4つの法則のどれでもありません。こちらです。人は目標の高さまで上がるのではなく、仕組みの高さまで落ちる。目標はレースに出ている全員が同じです。人を分けるのは、毎日回している手順のほうです。
踏み込みすぎている点:クリアーは他人の研究をまとめる書き手であって、自分の研究を報告する研究者ではありません。そして本は時々、妥当な推論に近い主張に「研究によれば」という権威を借ります。1日1%の複利計算はきれいな絵であって、研究結果ではありません。だからといって助言が間違いになるわけではなく、助言であるというだけです。
本なしで方法だけ欲しい場合は、習慣化の方法のガイドが同じ範囲を20分でカバーします。
Good Habits, Bad Habits — Wendy Wood(2019)
こんな人に:要約ではなく、研究そのものが読みたい人。
ウッドは南カリフォルニア大学で30年間習慣を研究し、100本以上の論文を発表しています。棚に並ぶ中で、実験を行った本人が書いた唯一の本です。
中心にある発見は居心地の悪いものです。私たちが毎日していることのおよそ43%は、同じ場所・同じ時間で、何も決めずに行われています。「やりたい」は習慣を作りません。文脈と反復が作ります。つまり動かすべきレバーは意志ではなく、あなたの台所であり、帰り道であり、スマホを置く場所です。
だから彼女の助言は地味で、そして効きます。減らしたい行動には摩擦を足す。増やしたい行動からは摩擦を取り除く。環境を変えれば、行動は戦わずについてきます。強い自制心があるように見える人は、たいてい手の届く範囲の誘惑が少ないだけです。
踏み込みすぎている点:ほとんどありません。だからこそ7冊の中でいちばん面白くない本でもあります。ウッドは証拠が薄いところでは慎重に言葉を選びます。楽しみたいなら他から始めてください。正確でありたいならここから始めてください。KUBBOの科学では彼女の研究に大きく依拠しています。
How to Change — Katy Milkman(2021)
こんな人に:目標と期限はあるが、どの手法を使えばいいか分からない人。
ミルクマンはウォートン校の行動科学者で、この本の最大の長所は構成です。各章が障害を1つ取り上げ — 先延ばし、忘れること、面倒くささ、自信のなさ — それに対応する解決策を出します。単一の方法は提示されません。それが要点です。正しい道具は、実際に何があなたを止めているかで決まります。
彼女の2つの考えはその後のあらゆる議論に流れ込みました。誘惑の抱き合わせ:やるべきことと、やりたいことを組み合わせ、やりたいほうはその最中だけ許可する。彼女自身は大学院時代に、ハリー・ポッターのオーディオブックをランニングマシン専用にすることでしかジムに行けなかった経験から見つけました。後の試験でも効果は確認されています。フレッシュスタート効果:月曜、誕生日、月初、元日は、人が再挑戦する気になりやすい日です。以前に失敗した自分に線を引けるからです。
踏み込みすぎている点:これらの効果のいくつかは、大規模な現場実験から出た平均効果の小さいものです。実在し、測定可能で、そして文章の印象より小さい。エンジンではなく、後押しとして使ってください。
習慣の力 — Charles Duhigg(2012)
こんな人に:私たちが習慣をこう考えるようになった経緯を知りたい人。
きっかけ・ルーチン・報酬を一般読者の前に置いた本であり、7冊の中では今でもいちばん読んで楽しい本です。デュヒッグは記者で、それが良い意味で出ています。ファブリーズ、顧客の妊娠を言い当てたターゲット社、水泳選手、病院、アルミ工場。
踏み込みすぎている点:キーストーン・ハビット — たった1つの変化(ベッドを整える、運動する)が人生全体に連鎖反応を起こすという考え — はデュヒッグ自身の言い回しであって、研究結果ではありません。個別事例から、手持ちのデータ以上の自信で大きな結論を引き出す癖もあります。14年経った今、ウッドとミルクマンがより難しい仕事をしています。この本は物語として読み、方法としては読まないでください。
Better Than Before — Gretchen Rubin(2015)
こんな人に:試したどの習慣アドバイスも、自分ではない誰かに向けて書かれているように感じた人。
ルービンの主張は、万能の方法はなく、特定の人に合う方法があるだけ、というものです。彼女の「4つの傾向」は、期待にどう応えるかで人を分けます。アップホルダーは内側の期待も外側の期待も守る。クエスチョナーは理由を必要とする。オブライジャーは他人のためには動くが自分のためには動かない。レベルは指示されること自体に抵抗する。自分自身の指示にも。
面白いのはオブライジャーで、おそらく最も人数が多い層です。仕事の締め切りは絶対に落とさないのに、自分との約束は守れないなら、それは意志の問題ではありません。説明責任の問題であり、解決策は外側にあります。一緒に走る相手、支払い済みのクラス、気づいてくれる誰か。
踏み込みすぎている点:4つの傾向は自己申告に基づく枠組みで、独立した検証はありません。診断ではなくレンズとして扱ってください。それでも、標準的な助言が自分に滑ってしまう理由を知るには最短の道です。ADHDのある人の習慣化を別のガイドにしているのも同じ理由です。
Mini Habits — Stephen Guise(2013)
こんな人に:全体の考えを90分で把握したい人。
ガイズは自費出版で、本というより1つの主張を引き伸ばしたものです。ただし主張は良い。目標を、ばかばかしいほど低く設定する。腕立て1回。1文。そして毎日やる。彼は、何もできていなかったから腕立て1回から始めたこと、追加の回数は勝手についてきたことを正直に書いています。
踏み込みすぎている点:中身は1章分です。フォッグを読んだなら飛ばしてかまいません。
逆方向の1冊:Indistractable — Nir Eyal(2019)
ここまでの本はすべて「始める」ための本です。「やめる」のは別の仕事で、それについてはこの本がいちばんです。
エヤールの主張は、気が散るのはスマホから始まるのではない、というものです。始まりは、自分がとどまりたくない感情のほうです。退屈、不安、難しい作業を前にした小さな怖さ。スマホは単にいちばん近い出口にすぎません。だから彼はまず内的なきっかけに手を入れ、次に予定表、最後にアプリに向かいます。
知っておくといいこと。エヤールは2014年に『Hooked』も書いています。習慣を作るアプリをプロダクトチームが設計するための、まさにその教科書です。この順番で両方読むと、奇妙で有用な体験になります。
注意して扱うべき2つのこと
意志力を燃料タンクとして扱う、2016年頃より前に出た習慣本は、生き残らなかった研究結果の上に立っています。自我消耗 — 自制心は電池のように減り、糖分で補充できるという考え — は心理学で最も引用された結果の1つでした。その後2016年に、23の研究室が2,000人以上を対象に事前登録した追試を行い、効果を見つけられませんでした。そのうち22の研究室は、事前に「再現できる」と予測していました。
実用面はまだ成り立ちます。疲れて空腹なとき、判断は難しくなる。ただし、それらの本が売っていた仕組みのほうは成り立ちません。
2つめ:日数を固定して約束する本。
66日という数字を、正確に
これらの本の多くが66日という数字を引用します。出典は2010年、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのラリーらの研究です。それが実際に何を言っているかは知っておく価値があります。
96人の志願者が毎日の行動を1つ選び、12週間報告しました。最後まで残った82人のうち、曲線に当てはまるデータを出したのは39人です。その39人について、95%自動化に達するまでの中央値が66日、幅は18日から254日でした。
本が落としがちな注意点が3つあります。研究期間は84日なので、長いほうの数字はデータの終わりから先へ伸ばした推計です。研究者が測ったのは行動がどれだけ自動的に感じられたかで、その点は本人たちが明記しています。そして66日は、参加者の半分未満を説明する数字です。
それでも残るのは曲線の形で、役に立つのはその形のほうです。初期の反復が仕事の大半をこなす。進み方は遅くなるが止まりはしない。そして1日抜けても、測定できるほどの後退は誰にも起きなかった — ほとんどの連続記録型アプリが無視している結果です。詳しくは習慣化にかかる日数と習慣が続かない理由で扱っています。
良い本が一致している点
枠組みを取り払うと、同じ5点が残ります。
- 調子の悪い日でも生き残る大きさにする。 フォッグもガイズもクリアーも同じことを言います。なぜ効くのかはウッドの研究が説明します。
- すでに毎日発火しているきっかけに結びつける。 コーヒーのあと、ノートパソコンを閉じたあと。時刻は、既存の習慣より弱いきっかけです。
- 意志ではなく環境を変える。 摩擦は、意図よりも確実に行動を動かします。
- 必要だと思うより長く繰り返す。 3週間ではなく2か月。
- 1回抜けても失敗ではない。 2回続けて抜けたときが、習慣の死ぬところです。
このリストに見覚えがあるなら、長い版を新しい習慣を潰してしまう間違いに書いています。
どの本もあなたの代わりにできない部分
これらの本はすべて、同じ壁で終わります。方法を読むのに10分。反復には2か月かかり、その間、誰も見ていません。
その隙間がほとんどの習慣を殺します。そしてこれは情報の問題ではありません。4つの法則を忘れたから読書をやめるわけではない。19日目にまだ何も変わっておらず、努力は今なのに見返りは3月だからやめるのです。
やるべきことは2つ残ります。結果ではなく行動を数えること — 行ったか、行かなかったか。結果は数週間遅れて現れるので、うまくいっている習慣をやめる理由をあなたに与えてしまいます。そしてもう1つ、作業と同じ日に報酬を置くこと。今日の10分が、今日のうちに報われるように。
2つめのためにあるのがゲーミフィケーション習慣トラッカーで、それがKUBBOの設計そのものです。習慣を終えるとXPとゴールドが入り、ゴールドで中世の街を築く。モチベーションがない朝でも、街はそこに残っています。2日抜けると建物が1つ埋もれますが、ゴールドで掘り出せます。失うのは小さなもので、残りは全部そのまま。カウンターがゼロに戻ることはなく、3月にやめる理由も生まれません。
実際にどう読むか
自分の悩みに合う本を選ぶ。まず1回、速く読む。そこから習慣を1つ、テクニックを1つだけ選び、他の本を読む前に8週間回してください。
習慣の本を5冊読んで1つも作らないのは、それ自体が悪い習慣です。しかも居心地のいい悪い習慣で、進歩しているように感じるうえに何のコストもかかりません。よければ読書そのものから、あるいは毎日のウォーキングから始めてください。習慣1つ、8週間、記録つき。課題はそれだけです。
ここまではすべて理論です。完全な方法はこちら、無料です。